ジャングリアは “地獄の待機場” ?――科学が暴く、構造的詐欺のテーマパーク【林直人】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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ジャングリアは “地獄の待機場” ?――科学が暴く、構造的詐欺のテーマパーク【林直人】

 

■ 「最低1アトラクション保証」は幻か:“体験率”は驚愕の1.4回

 

 さらに分析は続く。すべてのアトラクションとショーを含めて最大1,500/時間という非常に甘い仮定を置いた場合でも、9.5時間営業で1日総体験スロット数は14,250回分。

 つまり、1万人来場時の1人あたり体験数はわずか1.4に過ぎない。

 だが、これは全員が効率よく移動し、待ち時間ゼロで体験できるという“天国のような仮定”のもとでの数値だ。

 現実は? 人気アトラクションには人が殺到し、「3時間待ち乗れず閉園」という悪夢が日常になる。

 

■ 同時収容5,500人の闇:数千人は入園すら困難?

 

 ジャングリアが誇る“収容能力”は5,500――にも関わらず、チケットは1万枚売る。

 この事実が意味するのは、4,500人がそもそも園内に入れない可能性すらあるという衝撃だ。

  「パーク内にすら入れない」「入口で行列」「何も体験できずに帰る」――これは混雑ではなく、設計段階から組み込まれた“顧客破壊モデル”なのだ。

 

■ 「構造的欠陥」か「詐欺的設計」か――問い直される公共投資の妥当性

 

 この“構造的地獄”の中に、数十億円単位で資金を投じたのがクールジャパン機構や沖縄公庫である。

 つまり本件は単なる民間事業の失敗では済まされない。「税金で作られた国策地獄」が、今この瞬間にも観光客を飲み込んでいるのだ。

 来場者に提示されるのは、広告で夢見た冒険ではなく、「1万円払ってベンチで待つ」体験。

 ジャングリアは、我々の時間と金、そして公共資金を「待ち時間の虚無」へと焼却する装置である。

 この構造的不正義を、見過ごしてよいのか。

 テーマパークを名乗るにはあまりに欺瞞的なこの施設の実態を、今こそ世に問うべき時が来ている。

 

文;林直人

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✴︎著者告知✴︎

筆者である林直人はジャングリアの少数株主(推定5%程度)である近鉄GHD様の株を株主総会に必要な数だけ購入した上で、近鉄GHD様の株主総会でジャングリアの実態について質問する予定です。

趣旨に賛同される方、株主総会参加(100株30万円程度)・株主総会での株主提案の提出(30000株1億円程度)の近鉄GHD株取得を検討されている方は下記のメールアドレスまでご連絡ください。近鉄GHD様への共同提案などの可能性を探りたいと考えております。

yourmanifestojp@gmail.com

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林直人

はやし なおと

起業家・作家

1991 年宮城県生まれ。仙台第二高等学校出身。独学で慶應義塾大学環境情報学部に入学(一般入試・英語受験)。在学中に勉強アプリをつくり起業するも大失敗する。その後、毎日10 分指導するネット家庭教師「毎日学習会」を設立し、現在に至る。毎年100 人以上の生徒を指導し、早稲田・慶應・上智を中心に合格者を多数輩出している(2021 年早慶上智進学者38 名・7/20 時点)。

著書に『うつでも起業で生きていく』(河出書房新社)、『人間ぎらいのマーケティング人と会わずに稼ぐ方法』(実業之日本社)などがある。

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